「ダンジョン飯」の作者である九井諒子による一巻完結の短編集がこの『竜の学校は山の上』である。表題作で、日本における竜需要を探す宇ノ宮大学竜学部の学生たちの話や、馬人の労働を規制する、馬人労働規制法案が審議入り。馬人と猿人の共存を描く「現代神話」など日常生活にファンタジーが融合した、ちょっと不思議な世界が体験できる作品が全9編詰まっている。
(出典:『竜の学校は山の上』)
登場人物は魔王から翼人まで
古今東西のありとあらゆるファンタジーな生き物が本作には登場をする。勇者に魔王、神様、翼人、猿人、馬人に竜と見ているだけで楽しい作品となっている。彼らが当たり前のように、普通の世界に溶け込んでいることも九井諒子作品の魅力の一つだ。
(出典:『竜の学校は山の上』)
魔王を倒した後には「魔王城問題」が発生する
ちょっとシリアス気味な「魔王城問題」も面白い。勇者は魔王を倒せばいいだけではない。その後に発生する問題もきちんと解決しなければいけないのだ。
二百年もの時に渡りエディレオ国を苦しめた魔王ボゲロートズは聖剣パシュリズシを引き抜いた勇者ホジェモチワ(中略)
人々は暫し平和を祝い喜びあったがすぐに、魔王の爪痕が残った町や日常生活の再興に取りかかった...
魔王がいなくなったとはいえ問題は山ほど残されていた
領土・国交問題、魔物被害、戦争遺児への生活支援
そして、主を失った城、魔王城の行く末である。
(出典:『竜の学校は山の上』)
(出典:『竜の学校は山の上』)
モンスターは食料です!!
「ダンジョン飯」でスライム、ミミック、マンドラゴラとモンスターを食べまくっている作者だが、この作品でも竜を食べてしまう。ダンジョン飯の原点はここにあったのかもしれない。
(出典:『竜の学校は山の上』)
正しい竜の使い方?をしているシーンもきちんとある。飛んでいるシーンは迫力があってかっこいい!
(出典:『竜の学校は山の上』)
というわけで日常生活にファンタジーが融合した、ちょっと不思議でどこかユーモラスな世界を味わいたいというあなたにはオススメの作品である。竜学部で勉強してみたい(笑)。
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