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アンドロイド、火星、賞金稼ぎ、電気羊。色褪せないSFの傑作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』【小説感想】

 

 古典SFの名作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』という小説が存在する。まずはタイトルがすごい!「ブレードランナー」といったタイトルで映画化もされている。

 ただのSF作品ではない。人間とアンドロイドの関係、人工知能の進化、人間とは何か?等々考えさせられる作品となっている。いつまでも色褪せない名作として読み継がれているのは、ストーリーの面白さはもちろん、これらの核心をついたテーマの考え深さもあるのだろう。まずは、以下のあらすじを読んでみてほしい。あらすじだけで、この作品は絶対に「面白い」と確信できる。

 

 第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では、生きている動物を所有することが地位の象徴となっていた。人口の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた<奴隷>アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた!

(出典:『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)

 

 このあらすじを読んで、思わずamazonのボタンをクリックしてしまった。

 アンドロイド、火星、賞金稼ぎ、電気羊と、これだけで小説が一本書けてしまいそうな単語が並んでいる。しかし、これらが見事に融合し、あらすじの期待を裏切らない素晴らしい作品となっている。

 

本物の動物を飼うためのリックの戦い

 主人公で賞金稼ぎのリックは電気羊を飼っている。元々は本物の羊を飼っていたのだが破傷風で死んでしまったのだ。周りも皆動物を飼っているし、近所に見栄を張るために電気羊を使って本物の羊を飼っている振りをしているのだ。

 馬でもうさぎでも鳥でもいい。しかし、本物の動物を買うにはお金が足りない。そこに火星から逃走してきた8人のアンドロイドを狩る仕事が舞い降りてきた。リックは、本物の動物を飼うために危険な戦いを開始するのだ。

 

アンドロイドを識別する感情移入度検査法

 アンドロイドは外見では人間と全く見分けがつかない。あらゆる知能テストにもパスしてしまう。しかし、唯一、感情移入度検査法には通過することはできない。知能テストを軽々やってのけるアンドロイドでも、普通の一般人が持っている感情を全く持って近いできないのだ。

 リックはこの検査法を用いて、アンドロイドを追い詰めていくが、この検査をめぐっても一波乱も二波乱も生まれてきてしまう。

 人間とアンドロイドの「境界」が探られる。

 

まとめ

 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は1968年に書かれたSF作品だが、現在で読んでも全く持って古さを感じさせない。むしろ、新鮮さすら感じてしまうだろう。

 とりあえずなんだかタイトルが気になるとか、古典SFの名作を読んでみたいとか、昔読んだけど再読してみようなど、SFに興味のある人全般にオススメできる小説だ。

 果たして、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

 

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