漫画ギーク記

漫画を中心にしたおすすめの面白い本について書いています

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

肉じゃがの謎を追う物語。『東京発 異世界行き』【一巻完結】【漫画感想】

刑事吉田は普通の人間ではない特殊な能力を持っている。 それは相手が持っているものを食べると、その人間が最後に食べたものがわかるという能力。 姉川と吉田のコンビは大学生殺人事件を担当することになる。 そして被害者の大学生の家でご飯を食べると、被…

【画像付き】マンガ大賞2016『ゴールデンカムイ』大賞決定。全ノミネート作品レビュー&ランキング

「 マンガ大賞2016」大賞作が『ゴールデンカムイ』に決まった。 ノミネート作の順位、選考員のコメント、大賞選定理由等が発表されたのでまとめてみた。

ホリエモンによる獄中記コミックエッセイ『刑務所いたけど何か質問ある?』【一巻完結】【漫画感想】

ホリエモンによる獄中記コミックエッセイ。 塀の中での1年9ヶ月の刑務所生活。ホリエモンは一体何を考え、何をしてきたのか? 『刑務所なう。』『刑務所なう。シーズン2』『刑務所わず。 』の三冊からマンガ部分のみを取り出し、収録したのがこの『刑務所…

北の大地でのアクション&グルメコミック。「黄金」×「アイヌ」×「日本兵」『ゴールデンカムイ』【漫画感想】

かつてゴールドラッシュに沸いた北海道。そこにはアイヌがひっそりと溜めた莫大な埋蔵金が隠されていた。 その額なんと8億円! 「不死身の杉元」。日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士はこの莫大な埋蔵金を見つけてやろうとアイヌの地に降り…

大学女子寮でのドタバタ系日常コメディ『ネムルバカ』【一巻完結】【漫画感想】

大学の女子寮で同じ部屋に住むの「先輩」と「後輩」。 バンド活動に打ち込む先輩は、いつも金欠ピーピー状態。これといって打ち込むもののない後輩はバイトの日々…。ぬるま湯に頭まで浸かったような、でも当人にはそれなりに切実だったりもする「大学生」と…

異国の地での王族殺人事件。問われるジャーナリストの責任『王とサーカス』【小説感想】

2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、知人の雑誌編集者から海外旅行特集の仕事を受け、事前取材のためネパールに向かった。現地で知り合った少年にガイドを頼み、穏やかな時間を過ごそうとしていた矢先、王宮で国王をはじめとする王族殺害事件が勃…

とんかつ屋とDJって同じなのか!!???『とんかつDJアゲ太郎』【漫画感想】

とんかつ屋とDJって同じなのか!!??? そんなバカな!? 東京・渋谷、その片隅に一軒のとんかつ屋がある。その名も「しぶかつ」。三代目の揚太郎は、父・揚作のもと、なんとなく見習い修業を続ける毎日だった。そんな揚太郎がある日友人に誘われてクラブに行くと…

肉も魚もNGなグルメ漫画。お寺と精進料理の世界。『サチのお寺ごはん』【漫画感想】

今、グルメ漫画が熱い!『食戟のソーマ』『ダンジョン飯』『甘々と稲妻』などグルメ漫画が続々と刊行されている。そんなグルメ漫画の中で「精進料理」に注目した作品がある。それが、『サチのお寺ごはん』だ。 名前のとおり、いちいち不運な臼井幸。ある日、…

何でも吸い込む手のひらの穴。バグでずれる宇宙。『バイオーグ・トリニティ』【漫画感想】

ヤバい、マジで榎本芙三歩のことが好き過ぎて俺死ぬ。 『エア・ギア』の大暮維人と『阿修羅ガール』の舞城王太郎がコンビを組んだファンタジー・サイエンス・アクションが融合した青春群像劇が『バイオーグ・トリニティ』である。両掌に穴が空き、好きなもの…

北海道独立、水がなければ牛乳を飲めばいい!荒川弘による農家エッセイ『百姓貴族』【漫画感想】

人類最強の職業は「百姓」である!!人間は食べられなきゃ生きていけないのだ! 『鋼の錬金術師』『銀の匙』の作者、荒川弘さんの実家は北海道の農家だった。農業高校を卒業し、漫画家になる前に7年間農業をしていたとのこと。その経験がノンフィクション・…

文明・技術の進化は人々を幸せにしたのか?情報化、金、仕事など現代人の「悩み」を説く『悩む力』【本感想】

グローバリゼーションの時代が到来していると言われる。ここ最近の情報技術の発達、特にインターネットを始めとするデジタル技術の進化により、「政治」「思想」「文化」「娯楽」とあらゆるものが国境を越え行き来するようになった。 グローバリゼーションに…

1錠飲むと24時間記憶を飛ばす薬の流通した未来。『アイリウム』【一巻完結】【漫画感想】

1錠飲めば24時間分の記憶を飛ばすことができる薬、「アイリウム」。薬が効きはじめると、他人から見れば意識もあり普段通りの生活をしているように見えて、その間の記憶が完全になくなってしまう。24時間先の未来にタイムリープできる。 つまり、”嫌な”…

命をかけた「ゲーム」。日本軍の世界を相手にしたスパイ合戦。『パラダイス・ロスト』【小説感想】

五感と頭脳を極限まで駆使した、命を賭けた「ゲーム」に生き残れ。異能の精鋭たちによる、究極の"騙し合い"がここにある。 柳広司による、第二次世界大戦頃の日本や世界を舞台にしたスパイ合戦の物語が「ジョーカー・ゲーム」シリーズである。結城中佐の発案…

このサイトについて

このブログについて ブログ名:漫画ギーク記 URL:http://www.dokusyo-geek-ki.com/ Twitter:https://twitter.com/geek_ki 内容:面白かったと思ったノンフィクション・小説・漫画と本のレビューを書いていきます。ネタバレはせずに「この本を読んでみたい…

魔女がでてくる、ゆるーい日常系作品。『ふらいんぐうぃっち』【漫画感想】

黒猫のチトと一緒に横浜からやってきた真琴は、青森県弘前市の親戚の家で暮らしはじめた。実は彼女は魔女である。今はまだ空を飛ぶくらいしかできないが、又いとこの圭やその妹の千夏たちと毎日げんきに暮らしてる。 『ふらいんぐうぃっち』は、ちょっとだけ…

人気漫画家による漫画論・漫画の描き方。『ヘタッピマンガ研究所R』【一巻完結】【漫画感想】

『アイシールド21』『ワンパンマン』の作者村田雄介が漫画論を語った作品がある。週間ジャンプ公認、漫画で「漫画の描き方」を描いたのが、この『ヘタッピマンガ研究所R』である。 人気漫画家が自身で習得してきた漫画の描き方が惜しみなく書かれている。さ…

東村アキコによる自伝エッセイコミック『かくかくしかじか』【漫画感想】

『海月姫』『東京タラレバ娘』などの人気作で知られる、漫画家・東村アキコによる自身の高校生・美大生時代や絵の恩師との関係を描いたノンフィクションの自伝エッセイ漫画が、この『かくかくしかじか』である。 ストーリーは林明子(のちの東村アキコ)が高…

羽海野チカによる大人な味わいの一巻完結短編集。『スピカ』【一巻完結】【漫画感想】

『3月のライオン』『ハチミツとクローバー』がヒット作として知られる羽海野チカの一巻完結短編集がこの『スピカ』である。「野球を続ける夢」を追えなくなった少年と「バレエを続ける夢」を追い続けることに迷いだした少女による青春ストーリーの表題作「…

本には世界を変える力がある。『世界を変えた10冊の本』【本感想】

読書離れなんてことが言われている。1ヶ月に漫画以外の本を読む冊数が「1、2冊」の人は34.5%、「一冊も読まない」人は47.5%らしい。(出典:「1冊も本を読まない」…47・5% 文化庁調査で「読書離れくっきり」 - 産経ニュース) 日本人の2人に1…

人間は過剰に「心配」をしてしまう生き物だ。『心配学 「本当の確率」となぜずれる?』【本感想】

人間は「心配」をしすぎる生き物である。会社が倒産するかもしれない、就職ができないかもしれない、恋人が浮気しているかも......と日常生活を送っていると様々な「心配事」が溢れているように感じてしまう。しかし、その心配事が起こる「本当の確率」はど…

娘と父とその家族によるドタバタ系日常コミック『響子と父さん』【一巻完結】【漫画感想】

『それでも町は廻っている』『外天楼』『ネムルバカ』などの作品で知られる石黒正数による一巻完結の作品がこの『響子と父さん』である。「響子」と「父さん」は親子であり、二人とその家族を中心としたドタバタ系日常コミックとなっている。 「それでも町は…

イノシシ、カラス、カメを狩って...食べる!ノンフィクション猟師コミック『山賊ダイアリー』【漫画感想】

21世紀のリアルモンスターハンター!本物の猟師が描く、狩猟のノンフィクションエッセイ漫画がこの『山賊ダイアリー』である。岡山県の山奥で猟師を始めた岡本健太郎の日々の猟師としての日記が描かれる。狙う獲物は、「ハト」「カモ」「ヒヨドリ」などの鳥…

時間旅行・冷凍睡眠。タイムトラベルで幸せを掴め!『夏への扉』【小説感想】

古典SFの名作『夏への扉』という作品がある。時間旅行、冷凍睡眠(コールドスリープ)を題材とし未来と過去を行き来するタイムトラベル系のSF小説である。 主人公のダンは不幸のどん底にいた。フィアンセに裏切られ、会社を乗っ取られ、自分の特許も奪われて…

天国への行き方。カバの汗はピンク色?殺しができる境界線etc...西尾維新による短編集『大斬ーオオギリー』【一巻完結】【漫画感想】

「化物語」「めだかボックス」の原作者、西尾維新と少年ジャンプの漫画家達が手を組んだ。具体的には、「DEATH NOTE」の小畑健、「いちご100%」の河下水希、「めだかボックス」の暁月あきら、「ロザリオとバンパイア」の池田晃久など9人の漫画家とコラ…

幻の泉を探せ!鳥山明による一巻完結のバトルファンタジーコミック『SAND LAND』【一巻完結】【漫画感想】

幻の泉をみつけだせ!!魔物も人間も慢性の水不足にあえぐ砂漠世界で、悪魔の王子・ベルゼブブと元天才軍人・シバが強力タッグを組み、水源を求めて冒険に旅立った!!灼熱の荒野で彼らを待ち受けるのは!? 『SAND LAND』は「ドラゴンボール」の作者、鳥山…

お薦め映画を聞いてくるくせに「え?何それ?」みたいな顔して見ない奴が憎い。『木根さんの1人でキネマ』【漫画感想】

木根真知子、三十X歳独身、趣味は映画鑑賞な普通のOL。しかし、この趣味・映画鑑賞の映画愛が半端ではない。休日の楽しみは映画館かレンタルかソフトか有料チャンネルで映画をみること。とにかく映画漬けである。 『木根さんの1人でキネマ』はそんな木根さん…

「エヴァンゲリオン」の夫・庵野秀明監督と「働きマン」の妻・安野モモコの日常『監督不行届』【一巻完結】【漫画感想】

「新世紀エヴァンゲリオン」で有名な庵野秀明監督。その奥さんで「働きマン」の作者として知られる安野モモコによる、二人の夫婦生活を描いたのが本作『監督不行届』である。この漫画はエッセイ漫画であり、オタクな庵野監督に振り回される妻・安野モモコと…

アワビとのバトル!グッチとのコラボ!!などハラハラ・ドキドキ・ゾクゾクを感じられるホラーコミック『岸辺露伴は動かない』【一巻完結】【漫画感想】

『岸辺露伴は動かない』は『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦による、一巻完結漫画である。杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴。好奇心に溢れ、リアリティを追求する彼が、彼の書く漫画のさまざまな取材先で体験した恐怖のエピソードを5編収録する。『懺…

グルメ漫画なのに料理が苦手!?娘と父とその教え子によるグルメ&ホームドラマコミック『甘々と稲妻』【漫画感想】

母を亡くし、二人っきりで過ごすことになってしまった父と娘。娘においしい料理を食べさせるために、今までまともに料理をしたことがなかった父は料理の勉強を始めた。父は数学教師だが、女子高生で教え子の実家がごはんやさんを営む飯田小鳥の力を借りなが…

頭脳戦・心理戦を描いた学園系ギャンブルコミック『賭ケグルイ』【漫画感想】

『賭ケグルイ』は「カイジ」や「LIAR GAME」のようなギャンブルを用いた、人間の心理戦による頭脳ゲームである。舞台は高校。この学園では勉強やスポーツが多少できたところで誰にも評価されない。この学園で必要なのは、駆け引きや読心術、ここぞという時の…