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読めばきっと騙される”ふたりきり”を描いた作品『式の前日』【一巻完結】【漫画感想】

 

双子の兄弟、ワケありの親子、結婚をひかえた男と女…。

“ふたりきり”という情景を温かく、鮮やかに切り取った珠玉の短編よみきり集。

表題作の「式の前日」には誰もが騙されるはず。

やられたっとも思うが、それがどこか心地いい。

ジャンルとしては日常系の作品ではあるが叙述トリックを使ったミステリー的な要素がふんだんに盛り込まれる。

ほっこりとした読後感が魅力の一巻完結作品。

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(出典:『式の前日』)

 

「式の前日」の見どころ

”ふたりきり”のお話

年をとった双子のふたり。

結婚を控えた男女。

訳ありの父親と娘。

この漫画の短編ではどれも、どこにでもいそうな「とある二人」をピックアップしている。

彼らが紡ぐ心温まる物語が描かれている。

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(出典:『式の前日』)

 

表題作「式の前日」

この漫画には全6編の短編が収録されている。

まず、表題作の「式の前日」が面白い。

”明日 結婚する”

結婚を前日に控えた男女が共に一日を過ごす話しである。

二人が一緒に翌日の結婚式の準備をし、ご飯を食べと一日を過ごすとりとめのない話し...と見せかけて一つの大きな「仕掛け」が仕込まれる。

読み終わった後の”騙された感”が凄まじい。

しかし、その衝撃の後にほっこりとした気持ちになれる名短編。

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(出典:『式の前日』)

 

あずさ2号で再開

収録させている「あずさ2号で再開」にも大きな仕掛けが仕込まれている。

一日を一緒に過ごす父親と娘・あずさ。

父親と母親は離れており、親子は一年で一日しか会えない。

その二人の一日が切り取られている。

しかし、それだけでは話しが終わらない。

タイトル「あずさ2号で再開」の意味がわかったとき、これまた”騙された”と思うこと間違いない。

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(出典:『式の前日』)

 

終わりに

というわけで穂積による『式の前日』を紹介した。

一巻完結の短編集で日常系に叙述トリックを使ったミステリー的な要素を合わせた短編が多く含まれる。

読めばきっと騙される。

温かみのある話しの裏にトリックが仕込まれている。

ほっこりとした読後感を感じられる短めの漫画が読みたい人にはオススメの作品である。

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(出典:『式の前日』)

 

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