漫画ギーク記

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「米澤穂信」おすすめ小説ランキングまとめ19選

 

「このミステリーがすごい!」2015、2016年1位をはじめとしてた多くのランキングで上位を取り、数々の賞も受賞している人気ミステリー作家、米澤穂信。

現在、日本トップクラスの人気小説家と言っても過言ではない。

そんな米澤穂信の作品の代表作の中で個人的に面白かったと思ったものをランキング形式でまとめてみた。

日常や事件の中に隠された「謎」を解き明かしていく過程が持ち味の小説家である。

読み終わった後の、後味の悪さも癖になる。

 

「米澤穂信」おすすめ小説ランキング

【1位】 満願

 

表題作を含めた6つの短編から構成された短編集。

かつて世話になった人が殺人事件を起こした。その人の弁護をすることになった弁護士目線で物語の進む「満願」 を始めとし、どれもちょっとした日常の事件から物語はスタートする。

最後の1行まで緊張感が続き、結末までページをめくる手が止まらない。

なんとも言えない嫌な後味が魅力的な物語である。

 

 

【2位】 儚い羊たちの祝宴

 

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。

毎年8月に蓼沼の別荘で避暑を兼ねた読書会が開かれるのが通例となっている。

優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件が、甘美な語り口で明かされる。

どの事件も唖然としてしまう真相に痺れてしまう。特に最後の話の「儚い羊たちの晩餐」が強烈に脳に焼きついて忘れられない。

「アミルスタン羊」の調理法が恐ろしすぎる。

 

 

【3位】 古典部シリーズ

やらなくていいことはやらない。 やらなければならないことは手短に。

何事にも積極的には関わろうとしない「省エネ主義」の高校生・折木奉太郎。

彼はなりゆきで入部した古典部の千反田えるを始めとする仲間たちと共に日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことになる。

ちょっぴりほろ苦い青春ミステリー。アニメ化、実写映画化された人気シリーズ。

 

氷菓

 

いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。

そして、『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実。

全ての物語はたった一つの真相に向けて収束していく。

折木奉太郎にとっての出会いの物語。

 

 

愚者のエンドロール

 

文化祭の準備に追われる古典部のメンバーが、先輩から見せられた自主映画。

ミステリー作品だったが、その映画は脚本家の体調不良により途中で製作が止まってしまっていた。その映画の結末を脚本家以外の誰もが知らなかったためだ。

古典部は映画の内容から事件の真相を推理することになった。

一度見えたと思った結末が一気にひっくり返る場面が見どころ。

 

 

クドリャフカの順番

 

舞台は神谷高校の文化祭。古典部も文集「氷菓」を販売する予定だったが、手違いでこの文集を作り過ぎてしまった。

そんな中、校内では「十文字」と名乗る何者かが犯行声明を残して各部活から物品を盗んでいく奇妙な連続盗難事件が発生していた。

折木奉太郎は古典部を宣伝し文集を売り切るためにこの事件の謎に挑むことになった。

 

 

遠まわりする雛

 

古典部の面々の入学した時期から春休みまでに起こった出来事が書かれた短編集。

あらゆる時期の出来事を取り扱い、折木たちの人間関係の変化、互いへの思いが見て取れる。

個人的には「心あたりのある者は」が面白かった。えると折木がとある校内放送から事件の謎に挑む安楽椅子探偵の話。

折木の推理力の真骨頂が見て取れる。

 

 

ふたりの距離の概算

 

折木たちが2年生に進級した春。神谷高校では20km走るマラソン大会が開催された。

だが、その前日に古典部に入部する予定だった新入生の大日向友子が突然辞めることを告げてきた。どうも、えるとの間に何かトラブルがあったらしい。

二人の間に何があったのか。思い当たる節のない折木は、マラソンを走りながら、彼女が入部してからの日々を振り返り、心変わりの真相を推理する。

 

 

いまさら翼といわれても

 

神山市が主催する合唱祭の本番前、ソロパートを任されている千反田えるが行方不明になってしまった。

夏休み前のえるの様子、伊原摩耶花と福部里志の調査と証言、課題曲、ある人物がついた嘘。

事件とは全く関係がなかった折木奉太郎だったが、少ない紹介からえるの居場所を導き出した

ひとりで向かったえるの居場所は一体どこなのだろうか?

そして、彼女の真意とは?

奉太郎、える、里志、摩耶花。「古典部」4人の過去と未来が明らかになる物語が楽しめる

 

 

【4位】 太刀洗万智シリーズ

フリーランスの記者、太刀洗万智によるミステリーシリーズ。

万智が高校生だった頃の話『さよなら妖精』から始まり、新聞記者となり、そしてフリーランスになったまでに起きた事件の謎を解いていく。

一応、シリーズではあるが各ストーリーの繋がりはそこまで強くはないので、気になったものから読むのでもいいと思う。

 

さよなら妖精

 

雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。

遠い国からはるばる日本にやって来た少女、マーヤ。

覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。

仲間たち4人に彼女を加えて過ごす、謎に満ちた日常。

そして彼女が帰国した後、最大の謎解きが始まる。

謎を解く鍵は記憶のなかに。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。

 

 

王とサーカス

 

『さよなら妖精』の出来事から10年、太刀洗万智はジャーナリストとなり、ネパールでの取材を行っていた。

そんな最中に王宮での王族殺害事件が発生する。事件への取材に走る万智。

だが、自分が取材した男が一人、殺されてしまう。

「この男は、わたしのために殺されたのか?あるいは...」

ジャーナリストとしての姿勢が問われる痛切な一冊。

 

 

真実の10メートル手前

 

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとってそれは恋累心中と呼ばれた。

しかし、この事件はただの心中事件には見えない不可思議な謎がいくつも残っていた。

フリーランスのジャーナリスト太刀洗万智の活動記録が書かれた短編集。

真実を暴きつつも、悲しみを背負っていく万智の悲壮を感じる物語が収録される。

 

 

【5位】 小市民シリーズ

推理をしたがる性格が災いして苦い経験をしたことがある小鳩常悟朗と同じように自分の性格が原因で失敗した小佐内ゆき。

高校生の二人は「小市民を目指す」という目的を元に互恵関係を結んだ。

しかし、二人の想いとは裏腹に目の前に次々と謎が現れる。

小市民を目指す二人による日常系の推理もののシリーズ。春、夏、秋を刊行されているが冬がまだでていない。

 

春期限定いちごタルト事件

 

校内で盗めれたポシェットを探す事件から、テスト中に落ちてきた栄養ドリンクの謎まで二人の日常を中心に起きた事件の真相に迫っていく。

「おいしいココアの作り方」は、タイトル通りにココアをどのように作ったかの謎に迫っている物語だが、これぞ日常系ミステリーといった内容で些細な謎を解いていく過程が面白い。

 

 

夏期限定トロピカルパフェ事件

 

二人が入学して一年が経った高校2年の夏休み。

互恵関係のままの二人は小佐内の発案により、「小佐内スイーツセレクション・夏」と称してリスト化された菓子店巡りをすることに。

だが、平和に見えた日常が二人を巻き込むとある事件により一変してしまう。

二人の関係性を変えるきっかけとなってしまった事件を書いた物語。伏線が回収されていう過程が凄い話。

 

 

秋期限定栗きんとん事件

二人の互恵関係が崩れた。

そんな最中に、市内連続放火事件が発生した。彼らは別々の視点でこの事件を追うこととなる。

二人の性分が大いに発揮されている一冊。それぞれの内面の闇が垣間見える。

 

 

【6位】 追想五断章

 

古書店でアルバイトをする大学生・菅生芳光は、ある日店に来た一人の女性に死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。

報酬に惹かれて調査を始めるが、故人が20年以上前の未解決事件「アントワープの銃声」の容疑者だったことが判明した。

五つの物語に秘められた真実が暴かれるほろ苦い大人のミステリー。

 

 

【7位】 インシテミル

 

アルバイト情報誌に乗せられた時給11万2千円の仕事。

「ある人文科学的実験の被験者」になるとのこと。報酬につられて集まった男女12人は地下施設に閉じ込められ、真の実験内容を聞いて驚愕する。

それは、より多くの報酬を手に入れるために違いが殺し合う殺人ゲームだった。

映画化もされた人気作。主催者の真の目的が恐ろしい推理小説。

 

 

【8位】 折れた竜骨

 

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士と、その従士の少年に出会う。

騎士ははアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた。

「魔術」「剣」「謎」が混じりあった西洋を舞台とするミステリー。

魔術や呪いがある世界の中で、推理の力で真相に挑む。

 

 

【9位】 犬はどこだ

 

犬探し専門の探偵事務所を開業した紺屋長一郎。

犬探し以外をやりたくない紺屋だったが舞い込んできた依頼は”人”探しに古文書の解読。

依頼の調査をしていくが、関係のなさそうな二つの事件が微妙にクロスをし始めた。

意外な事件の全容とそのオチが見どころ。

 

 

【10位】 ボトルネック

 

パラレルワールドを扱った青春ミステリー。

死んだ恋人を弔うために東尋坊にやってきた高校1年生・嵯峨野リョウ。

彼は、東尋坊の崖から転落をしてしまった。そして、目を覚ましたリョウがいたのは恋人が死なず、自分の存在していない世界だった。

彼女が死ぬことになってしまった”ボトルネック”誰なのか?

彼女を救うことができるのか。悩める少年がもう一つの世界で驚愕の真実に気づいてしまう。

 

 

まとめ

というわけで「米澤穂信」おすすめ小説ランキングをまとめてみた。

ミステリー小説を書いている作家で新刊が待ち遠しいシリーズもいくつもある。

事件の動機や真相が恐ろしく、驚愕する小説がかなり多い。

どの作品も十分すぎるほどに面白いので、興味のある小説をぜひ手に取ってみてください。