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常識を超えた謎に天才科学者が挑む『探偵ガリレオ』【小説感想】

 

突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年。

警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき必ず訪ねる友人がいる。

帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。

常識を超えた謎に天才科学者が挑んでいく「ガリレオシリーズ」の第1作がこの『探偵ガリレオ』である。

東野圭吾によるミステリー小説。

ドラマ化、実写映画化された人気作で第三作目の『容疑者Xの献身 』は直木賞を受賞している。

 科学者と刑事がタッグを組んで科学の力で謎を解き明かしていく。

 

「探偵ガリレオ」も見どころ

天才科学者・湯川学

刑事・草薙俊平は警視庁捜査一課所属の刑事。

草薙はときおり、論理的に説明することができない不可解な事件に遭遇する。

そんなときに頼りにするのが帝都大学助教授の湯川学だ。

湯川は一見、立証不可能な謎を科学の力を用いて次々と解決していく。

天才的な頭脳に幅広い知識を持ち、洞察力も優れている。

「ガリレオシリーズ」は湯川を探偵役とした推理小説である。

 

燃え上がった若者の頭

『探偵ガリレオ』は短編集であり、5つの事件が登場する。

「燃える」は道端にたむろっていた若者たちが、何の前触れもなく燃え上がった事件であった。

現場にはガソリン臭が充満し、近くにあったポリタンクが発火して若者たちに火が移ったと考えられた。

しかし、当人たちは自分たちは決して火器を取り合ってはいないと主張している。

では、なぜ突然火災が起きたのか。

一部マスコミは、プラズマが原因ではと言い始めた。

とある気象状況が整ったときに、強い光と高熱を伴う火の玉のようなプラズマが起こる現象でこれが火元ではとのことだ。

そこで、警察もこの説を検証しようと湯川の元に訪れた。

「燃える」では湯川が突然燃え上がった若者たちの謎に挑む。

 

幽体離脱した少年

「離脱る」は幽体離脱をした少年の話である。

とある殺人事件が発生した。

捜査線上に容疑者はすぐに上がってきて逮捕も間もないと考えられていた。

しかし、容疑者は無罪を頑なに主張する。

さらに容疑者のアリバイを証明する証言まで出てきた。

...ただし、それは幽体離脱をしたと言う少年によるものだったのだが。

本来なら一笑に付すところだが、この証言には無視できない要素が含まれていた。

そこで湯川が幽体離脱を検証することになった。

天才科学者vs.超能力少年の話である。

 

終わりに

というわけで『探偵ガリレオ』を紹介した。

テレビドラマ化、映画化もされた人気シリーズの第1作で科学の力で不可解な謎に挑んでいくミステリー作品。

どんなにあり得ない謎でも、湯川が論理的に解いていく過程が魅力的だ。

面白い理系な推理小説を読みたい人にはオススメできる作品である。

 

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