1995年、太陽系外惑星の発見という歴史的な出来事が起きた。
地球に似た惑星は、銀河系、あるいは宇宙全体でどれくらいあるのか、地球以外にも生命は存在するのか。
太陽系外惑星研究の第一人者が伝える、天文学・惑星科学の最先端がこの本には書かれている。
「地球外生命体を探す」と言う人類の「大きな夢」の一つの研究においてのリアルな現場の状況がよく分かる。
宇宙のロマンや神秘を感じずにはいられない一冊となっている。
「第二の地球を探せ! 「太陽系外惑星天文学」入門」の見どころ
宇宙に広がる星の数々
現在の研究では、宇宙全体で銀河は1000億個ぐらいあると推定されている。
一つの銀河には恒星(太陽のような星)が1000億〜2000億ぐらいあると推定されている。
これらの恒星が全て地球のように8個の惑星を持っていると仮定すると、宇宙にはおよそ1000垓(10の23乗)程度の星があると考えらえる。
膨大な数すぎていまいちピンとこない。
これだけの星があるのだ。はたして地球のように生命体がいる星は唯一無二なのだろうか?
「太陽系外惑星天文学」ではこのような星を見つけることも一つの目標となっている。
「ハビタブルゾーン」と「スーパーアース」
生命体を発見するために必要な条件として「ハビタブルゾーン」にある「スーパーアース」であることが挙げられる。
「ハビタブルゾーン」とは恒星から惑星までが、惑星の表面に水が存在できる距離である場所のことを言う。
生命誕生には水が不可欠で、これがなくては生命体のいる可能性は極めて低い。
ちなみに、太陽系だと火星と地球がハビタブルゾーンに存在をしている。
さらに、地球に似た重さの星をスーパーアースと呼ぶ。
この水が存在し得る位置の「ハビタブルゾーン」にある地球に似た「スーパーアース」を見つけようと日々研究を行っている。
多彩な観測方法
観測には地上望遠鏡やスペース望遠鏡を使っている。
何光年も離れた星に実際に行くことができないためだ。
地上望遠鏡やその名の通り地上にある一般的な望遠鏡で、スペース望遠鏡は人口衛星に望遠鏡を取り付けたもの。
これらの望遠鏡を用いて、ドップラー法などの様々な手法を駆使し地球に似た惑星の探索をしている。
望遠鏡の精度や観測手法も日進月歩で、年を重ねるにつれて地球外生命体に少しづつ近づいていっている。
終わりに
というわけで『第二の地球を探せ! 「太陽系外惑星天文学」入門』を紹介した。
「太陽系外惑星天文学」という太陽系外の惑星を探索する研究にスポットライトが当てられる。
その分野の第一人者によって書かれたサイエンスノンフィクション。
宇宙の神秘に触れたい人や聞きなれないこの分野について知りたい人にはおすすめできる本である。