人気ラノベシリーズの「キノの旅」の第20巻が、この本である。
キノとエルメスは、旅の中で美しい夕焼けの景色を見た。
そんな、キノに後ろから一人の男が近づいてきた。
「いい景色だろう?キミは、どうやら初めて見るみたいだね」
キノに話しかけてきたその男は、旅の中で世界を何周も回ったことがあるという。
そして、それでも最も美しい景色はここから見るものがと言った。
同時刻に同じ場所にいた人々も口々に同じことを言った。
まだ、世界を周りきっていないキノは、またここに来ようとエルメスと話し合う。
しかし、キノと彼が言う”世界”には、隠された秘密があった。
「旅の話」を含めて全11話の短編が収録される。
「キノの旅XX the Beautiful World」のここが面白い
”拘らない国”
「旅人さん!オレには分かるよ、実は女性だろ?マニッシュな雰囲気がステキだぜ!だから単刀直入に言うぜ!オレの彼女にならないか?」
キノは、一人の男にそう話しかけられた。
ガラガラだった店で生魚の切り身を美味しく平らげて、港に面した広い歩道にとめていたエルメスに近づいた時だった。
「はい?」口調は若かったが、実際には四十歳は越えているだろう男だった。
身綺麗で、暑い中、小洒落たジャケットを着ている。
不自然なニコニコ笑顔で、「おっと、怒った顔も綺麗だぜ?」
「いえ、呆れています」「だろう? 呆れた顔も美しいぜ?」
この国には、恋愛に関する不思議な風習が出来上がっていた。
”海のない国”
キノとエルメスは、旅の途中で小さな国にたどり着いた。
その国は大きな大陸の中央にあって、海がない国であった。
国民たちは、海の存在を知っていた。
しかし、地理的な条件で海を見たことがある人がいなかった。
「旅人さん、どうか教えてください。ーーー海とは、なんですか?」
キノは、この質問に困ってしまう。
海とは何か?
その質問をズバッと答えるのは難しい。
悩みに悩んだ結果、キノとエルメスは一つの答えを導き出した。
”羊たちの草原”
よく晴れた日、キノとエルメスは次の目的地を目指して西へと進んでいく。
キノが森を見ていると、白い塊が動いているもが見れた。
それは、恐ろしいほどの数の”羊の大群”であった。
そして、この羊たちはキノたちを認識すると、何を思ったのか恐ろしい勢いで突進としてきた。
キノは、この羊の大群たちによって、命を失う危機を迎えることになってしまう。
終わりに
というわけで、『キノの旅XX the Beautiful World』を紹介した。
人気ラノベシリーズの「キノの旅」の第20巻である。
全11話の短編が収録されていて、キノとエルメスのコンビが様々な国を旅していく。
社会風刺とも取れる物語が面白い作品となっている。
『キノの旅XX the Beautiful World』は、二人の旅の物語に興味がある人には、おすすめのラノベとなっている。
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