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サイバーエージェントの創業期の物語『渋谷ではたらく社長の告白』【本感想】

 

21世紀を代表する会社を作りたい。

 

「アメーバブログ」などのサービスが有名なインターネット広告代理店で、今では大きな会社となったCyberAgent(サイバーエージェント)。そして、その会社の創業者で社長の藤田晋さん。

26歳で上場を果たすなどの輝かしい経歴を持つ。

だが、現在のサイバーエージェントの栄光を手にするまでの道のりは険しいものだった。

創業期の苦労、ITバブルの崩壊、会社を売り渡す危機など様々な困難が書かれた半生記で、起業までの道のりや、その後の苦悩を率直に振り返られた本となっている。

 

「渋谷ではたらく社長の告白」のここが面白い

サイバーエージェント創業

大学卒業後に入社したインテリジェンスでは休みも取らず猛烈に働いた。

その仕事量は凄まじく、朝の始発に乗って、誰もいない時間に会社に出勤し毎日仕事をしていた。

その結果、1年目に稼いだ粗利益は5000万円。大きな成果を残すことができた。

そして、その勢いをそのままに会社に入って1年目の終わりを待たずにして、会社を辞めて起業する決意をする。

そのときは、まだ何の事業をやるかは決まっていなかったが、勢いを流れで起業をしてしまった。

 

ITバブルにのって上場

起業して最初に行った仕事はウェブマネーの営業代行。他にも様々なインターネット関連の商品の販売代行をするなかで、ネット広告の事業に出会う。

この事業で勢いがつき「インターネット広告代理店」として大きくなった。

このときに、当時のオン・ザ・エッジの社長の堀江貴文さんとも知り合い一緒にビジネスをしていたとか。

そして、ITバブルの波に乗って、26歳にして東証マザーズで上場を果たす。

ちなみに東証で上場する際には、東証の審議官と社長が面談をするのだが、そのときの質問のなかで「コーポレートガバナンス」という単語の意味がわからずに聞き返してしまったことがあったらしい。

これがきっかけで一度、上場を延期されてしまう。

それ以来、上場を目指す社長がこの面談の準備をするときに、「コーポレートガバナンス」について答えられるように準備をしておけと言われるようになったとか。

 

ITバブル崩壊と会社買収の危機

ここまでは順調に会社経営を行っていたが上場後にITバブルが崩壊し、サイバーエージェントもその波にまた巻き込まれる。

株価は急落し、株主たちに大きな損をさせてしまう。 

会社も赤字で、株主には締め上げられ、社員も次々に辞めていき、ついには会社も買収の危機にあってしまう。

実際に、会社を売ることを藤田さんの口から提案したこともあったとか。

だが、楽天の三木谷浩史さんから増資を受けるなど周りの人々の支援を受け、これらの危機を乗り越え今日のサイバーエージェントに至った。

 

終わりに

というわけで、『渋谷ではたらく社長の告白』を紹介した。

サイバーエージェントの創業期のノンフィクションの物語が藤田社長の口から語られる。

ベンチャー企業の創業期の苦労を感じることができる本。

サイバーエージェントやIT・ベンチャー企業、藤田晋さんに興味がある人にはおすすめの本である。

 

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