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大前研一の発想法、思考法の原点がつまった戦略的頭脳養成バイブル『企業参謀』【本感想】

 

今こそ戦略的思考が必要だ!ここに大前研一の原点がある。

世界が混沌として先行きは不明。「次は”何が”くるのか?」「自分の会社はどこへ向かっていけばいいのか?」何一つとして指針がないカオスな時代が到来している。

経営にもビジネスにも手本と解答がない今、成功を導き出すプロセスは自ら考えだす必要に迫られている。

そのための最善解を導き出す「戦略的思考」はビジネスパーソンが身につけておかねばならない必須要件である。

常に時代をリードしてきた大前研一の発想法、思考法の原点がつまった戦略的頭脳養成バイブルが、この『企業参謀』である。

少し古い本だが、未だに読み継がれている名著。

その内容は現在にも通じ、全く色あせていない。

 

『企業参謀』のここが面白い

戦略性を持つことの重要性

「ビジネスにおける選択」は、一見混然一体となっていたり、常識に包まれていたりとする。

その選択をなんとなくな”勘”で決定してしまうこともある。

この”勘”を捨てて「戦略性」を持って取り組むことが極めて重要である。

決定すべき事項を一旦バラバラにし、個々の要素の特性をよく理解した上で、自分にとって重要なものをもう一度見極める。

そして、組み立て直して攻勢へと転じる。この「戦略性」を持つことがビジネスで勝ち抜くためには重要で必要な事象なのである。

 

戦う「場所」を見極める

マーケットは時代によって拡大したり、縮小したりする。

ビジネスにおいてはどのマーケットで戦うのかが、極めて重要である。

このマーケットの見極めを間違えると、どんなに頑張ったところで十分な利益を得ることができない。

縮小するマーケットの中では、十分な利益を得ることは至難の技であろう。

そこが、仮に過去に自分たちが儲けをあげた場所であってでもだ。

多くの会社は「過去の栄光」にすがってなかなか撤退する決断を下すことができない。

これを振り切るビジネスパーソンの先手必勝の意気こそが重要である。

 

完全な”戦略”は捨てなければならない

誰がビジネスをするにしても必ずライバルは存在して、自分たちの会社の”シェア”がある。

シェア競争においては”完全な”市場戦略を立てても意味がない。

どうせその戦略通りにはいかないのだ。

また、どんなに素晴らしい戦略を立てたとしても流動する市場動向を逃しては意味はない。「タイミング」もまた重要である。

よって、シェア争いを制するには、「相手よりもほんの一枚上をゆく市場戦略を、タイミングよく実施することが勝利の鍵である」と言うことができる。

少しでもライバルに勝てればいい。完全な戦略にこだわってはいけないのである。

 

終わりに

と言うわけで、『企業参謀』を紹介した。

経営コンサルタントとして、様々な企業の経営者にアドバイスをしてきた大前研一による発想法、思考法が詰まった戦略的頭脳を養成するために必要な要素が詰まった一冊。

時代を超えて多くの人に読み継がれている本である。

ビジネスをしている人であれば誰であっても、必ず学べることがある本となっている。