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彼女は告白する「だから、私は君の膵臓を食べたい」『君の膵臓をたべたい』【小説感想】

 

ある日、高校生の僕は病院で1冊の文庫本を拾う。

それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。

彼女は、膵臓の病気を患っていて長くは生きることができなかった。

同じクラスにいるけど対して会話もしたことがなかったのだが、親友にも打ち明けていない彼女の”秘密”を知ってしまった僕は、彼女と彼女の最後の時間を共に過ごすことになる。

「肝臓が悪かったら肝臓を食べて、胃が悪かったら胃を食べてって、そうしたら病気が 治るって信じられてたらしいよ。

だから私は、君の膵臓を食べたい」

正反対の二人が惹かれあっていく様子が描かれた感動的な小説となっている。

 

「君の膵臓をたべたい」のここが面白い

偶然知ってしまった彼女の秘密

主人公である”僕”は盲腸の手術を受けて、その術後の抜糸のために病院へと言った。

病院のロビーの待ち時間の中で、ロビーの隅の端っこにポツンと置かれたソファの上に一冊の文庫本を見つける。

誰かの忘れ物であろう一冊に興味を持った”僕”は、本好きであったこともあって、その本を開いてしまった。

その本の中には、彼女の秘密が書かれていた。

 

「共病文庫」

文庫本を開くと、そこには太いマジックで「共病文庫」と手書きで書かれていた。

それは、僕のクラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった

彼女は膵臓の病気を患っていて、余命は長くはない。

「共病文庫」を読んでしまったことによって、家族以外の誰にも話していない秘密を僕は知ってしまうことになる。

ここから、ほとんど関わりのなかった”僕”と”山内桜良”の間に縁が生まれる。

 

惹かれあっていく二人

「共病文庫」を読む前は、【ただのクラスメイト】であった。

そこから【秘密を知るクラスメイト】へと変化する。

山内桜良は、余命は短いのだが医学の進歩によって、普通の高校生と同じように日常生活を送ることができた。

彼女に興味を持たれた”僕”は、彼女の積極性にも押され、共に行動する時間が増えていく。

【仲のいいクラスメイト】...そして、その先へと変わっていく二人の様子と他人と関わろうとしなかった”僕”の変化が描かれている小説となっている。

 

終わりに

というわけで、『君の膵臓をたべたい』を紹介した。

偶然見てしまった日記帳によって”縁”が生まれる。

膵臓を患ってしまった少女とそのクラスメイトによる物語が描かれている。

「君の膵臓をたべたい」という一度聞いたら忘れられないタイトルも魅力の一つとなっている。

高校生二人の感動的でほろ苦い青春小説に興味がある人には、おすすめの作品となっている。

 

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