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政権を裏からあやつる怪しげな組織...?『日本会議の研究』【本感想】

 

安倍政権における閣僚のほとんどが所属している「日本会議」。

政権を裏から操る、影の権力者とも噂されている。

「日本会議」は、誰のために何をなそうとしているのか?

「日本会議」の実態にスポットライトを当てたのがこの本である。

改憲論者が集まり、”保守”に属する思想を持つ人たちが集まった組織。

綿密な取材と調査にによって、日本改憲勢力の真実の姿が明らかにされる。

 

「日本会議の研究」のここが面白い

日本会議とは?

日本会議とは1997年に設立された民間団体で、政治、経済、学会、宗教などの様々な団体から人が加入している組織である。

所属する国会議員の数は200人を超え、様々な場面において、ある程度の力を持った組織だと言える。

思想としては、「憲法改正」などをはじめとするいわゆる”保守”な考えを持ち、これらの思想を実現するために、日々”草の根”活動をしている。

そして、保守の思想を持つ安倍政権の中では、多くの閣僚がこの日本会議に所属をしている。

日本会議は、政権を裏からあやつる怪しげな組織では決してない。

 

日本会議は何を目指すのか?

日本会議は一体、何を目指しているのだろうか?

日本会議が目指すものは次の通りだという。

  1. 美しい伝統の国柄を明日の日本へ
  2. 新しい時代にふさわしい新憲法を
  3. 国の名誉と国民の命を守る政治を
  4. 日本の感性をはぐくむ教育の創造を
  5. 国の安全を高め世界への平和貢献を
  6. 共生共栄の心でむすぶ世界との友好を

(出典:『日本会議の研究』)

この文章からもわかるように、日本会議が大切にしているものは、「国」「憲法」「教育」「自衛隊」などである。

これらを、日本会議なりに、よりよく変えていこうとの行動が、日本会議の目指す方向となっている。

 

「日本会議」側からの抗議

『日本会議の研究』には、日本会議の設立の話や日々の活動、目指すべき方向などについて書かれている。

この本の内容に対しては、日本会議にやや批判的であり、日本会議から事実に反することが数多く書かれているとの抗議が寄せられている。

それだけ、エッジの効いた本だということであろう。

日本会議側と著者のどちらの主張が正確なのかは、この本を読んだだけでは判別はつかないが、「日本会議」の実態を知るためには良い本だと思う。

この本をきっかけに、日本会議のことを知り、他の本などを読むことで、さらに詳細を正しく理解していくことがいいと思う。

 

終わりに

というわけで、『日本会議の研究』を紹介した。

安倍政権の多くの閣僚が所属する団体・日本会議の実態が明らかにされた本。

その成り立ち、活動、思想などを知るためにはいい本だと思う。

「政権を裏から操る怪しい組織では...?」などと漠然としたイメージを持っている人には、ぜひ読んでみてほしい。

その実態がよくわかるはずである。

保守的な思想を持っていても、そうでなくても、「日本会議」に関心のある人には、オススメの本となっている。

 

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